『劇場版 艦これ』 アニメ版「如月轟沈」の“迷走評価”から賞賛を浴びた理由
『劇場版 艦これ』 アニメ版「如月轟沈」の“迷走評価”から賞賛を浴びた理由 軍艦をモチーフとしたキャラクターが活躍する人気ブラウザゲーム『艦隊これくしょん-艦これ-』。 そのアニメ版が放送されたのが、2015年春のことだった。 軍艦ブームに火がつくも、アニメは「カオス」軍艦関連書籍や模型の売上げにも貢献し、各地の港でイベントが実施されるなど空前絶後の“軍艦ブーム”を巻き起こした作品のアニメ化に、ファンからの期待の声は非常に大きかったが、放送を重ねるにつれ、次第に失望や困惑の声が多く聞かれるようになった。 その最大の原因とも指摘されているのが、物語内での日常要素とシリアス要素のアンバランスである。 特に、駆逐艦「如月」が序盤の戦闘で突如として轟沈したにも関わらず、物語はほのぼの系の日常エピソードを織り交ぜながら、世界観の核心に迫ることなく最終話を迎え、全編を通し如月轟沈の意味が見出せぬままであったことに困惑の声が集中。 結果として、「シナリオがカオス」との評価が多数に上り、最終回終了後に続編製作決定のアナウンスがなされても、期待の声より不安の声の方が大きく聞かれる事態となっていた。 >【賛否両論】アニメ版第2期『艦これ』の展開どうなる(2015年6月17日) そして、1年半にも及ぶ期間を経て11月26日『劇場版艦これ』が公開、大方の予想を大きく裏切り、本作品への評価の声が日に日に高まっているのだ。 ようやく見えた『艦これ』世界観の核心 これまでの経緯から、期待よりも不安を抱いて劇場に足を運んだという人も多かったようだが、実際に鑑賞した人からは「観に行って本当によかった」との声が多く聞かれている。というのも、劇場版では作品の世界観の核心である「深海棲艦」の正体や、キャラクターたちにとっての戦いの意味、そして何よりここへ来て如月が物語の中で沈んだ意味がようやく明らかになってくるからだ。 この劇場版での展開が、当初から予定されていたものだったのか、アニメへの反響を受けての軌道修正だったのかは定かではないが、とにかく、アニメ版を見てモヤモヤとした想いを抱えていたファンにとってはこの劇場版が待ちに待った「解」であることは間違いない。 エンディング曲「帰還」も必聴 シナリオ自体ももちろんだが、自分の好きなキャラクターの活躍をスクリーンで見たいという人のニーズにも、アニメ版から格段にレベルアップした戦闘描写でしっかりと応えている本作品。 そんなこの映画に欠かすことのできないもう一つの重要要素が、西沢幸奏によるエンディング曲「帰還」である。アニメでもエンディングを担当していた西沢だったが、劇場版でも抜群の歌唱力を発揮し、ラストに流れるこの「帰還」こそが映画のテーマにさらなる深みを与えている。もはや『艦これ』にとどまらず、その原点である「軍艦そのものの哀しい歴史」に重なるこの曲が、観る者の心を震わせ、物語の意味の何よりの解となっているのである。 クライマックスで主人公・吹雪が体験する、哀しみと希望との邂逅の物語。それはそのまま、エンターテインメントとして生み直された『艦これ』と、歴史上の悲劇との邂逅でもあるのかもしれない。 [アニメ1週間]「ハルヒ」がNHKで“再放送” 「ベスト・アニソン100」に「Snow halation」 1週間のアニメのニュースをまとめて紹介する「アニメ1週間」。今回(12~18日)は、人気アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」がNHK・BSプレミアムで4月から放送されるニュースやNHKの企画「ベスト・アニソン100」で「ラブライブ!」の「Snow halation」が首位に輝いた話題などが注目された。 12日、得能正太郎さんの4コママンガが原作のアニメ「NEW GAME!」の第2期が制作されることが分かった。同日、豊洲PIT(東京都江東区)で開催されたイベント「『NEW GAME!』ファン感謝イベント~Next Level~」で発表された。 12日、人気ゲーム「アイドルマスター(アイマス)」シリーズの「アイドルマスター SideM」が、アニメ化されることが分かった。同日、幕張メッセイベントホール(千葉市美浜区)で開催されたイベント「THE IDOLM@STER SideM 2nd STAGE ~ORIGIN@L STARS~」で発表された。同ゲームに登場するユニット「DRAMATIC STARS」が描かれたティザービジュアルも公開された。 13日、こうの史代さんのマンガが原作の劇場版アニメ「この世界の片隅に」(片渕須直監督)が、公開から約3カ月で興行収入が20億円を突破したことが明らかになった。11日付の記録で、観客動員数は150万人を突破した。昨年11月12日の公開当初は63館という小規模の公開だったが、順次上映劇場を拡大。累計公開館数が300館を超えた。 15日、「涼宮ハルヒの憂鬱」が、NHK・BSプレミアムで4月から放送されることが分かった。2006年、09年に2期にわたって放送された全28話が放送される。NHK・BSプレミアムで4月7日から毎週金曜午後11時45分に放送。なお、NHKはこれまで「新世紀エヴァンゲリオン」「ラブライブ!」「進撃の巨人」「日常」など民放で放送されてきたアニメを“再放送”してきた。 16日、「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の若林稔弥さんの学園ラブコメマンガ「徒然チルドレン」が、今夏にテレビアニメ化されることが明らかになった。「マケン姫っ!」シリーズなどの金子ひらくさんが監督を務め、「きんいろモザイク」シリーズなどのStudio五組が制作する。 17日、「月刊ガンガンJOKER」(スクウェア・エニックス)で連載中のギャンブルをテーマとした学園マンガ「賭(か)ケグルイ」が、テレビアニメ化されることが分かった。「この世界の片隅に」「ユーリ!!! on ICE」などのMAPPAが制作し、「牙狼<GARO>-炎の刻印-」などの林祐一郎さんが監督を務める。 18日、DeNAのマンガアプリ「マンガボックス」で連載中のマンガ「恋と嘘」がテレビアニメ化され、今夏に放送がスタートすることが分かった。「山田くんと7人の魔女」「石膏ボーイズ」などの宅野誠起さんが監督を務め、「テラフォーマーズ」「山田くんと7人の魔女」などのライデンフィルムが制作する。 18日、日本で制作されたアニメのアニソンの中からウェブ投票でベスト100を選出するNHKの企画「ベスト・アニソン100」が発表され、「ラブライブ!」の「Snow halation」が首位に輝いた。2位も同作の「僕たちはひとつの光」で、3位は「TIGER & BUNNY」の「オリオンをなぞる」だった。NHK・BSプレミアムで同日午後6時半から生放送された「カウントダウンLIVE アニソン ベスト100!」で発表された。 | |